洲本の大衆旅館に泊まった日は洲本から二駅先の宇山にある車庫で奇抜な電車をいろいろ見学し、中でも興味深かったのがモハ2008の垂直カルダンドライブ車であった。垂直カルダンドライブは運輸省の補助金付で神鋼電機で開発され、淡路交通宇山工場の協力で試験的に装着されたようである。
神鋼電機製の垂直カルダンドライブは他に越後交通の栃尾線(ナロー)、三重交通の志摩線、湯の山線(ナロー)で採用されたがこの方式が広まることはなかった。奇抜な構造で整備などで相当厄介ものであったのだろう。
あの鳥羽の海沿いあった神鋼電機鳥羽工場で開発された垂直カルダンドライブ。
この駆動ユニットを装着した淡路交通モハ2008試作車。
鳥羽から海を渡り淡路島で何でこんな奇抜な装置が元ガソリンカーに組み込まれたのかは、神鋼電機が開発した垂直カルダンドライブを実車テストするのに淡路交通が手ごろだったのか。宇山工場が協力して有り合わせのDT10の台車に垂直カルダンを組み込んだ試作車モハ2008は一体いつ頃まで実車テストをしてきたのか? 淡路交通1966年の廃線までモハ2008は試作品を装着したまま営業運転してきたのか。いやテスト後は外され吊り掛け式になっていたのか、いろんな疑問が湧いてくる。
モハ2008.1950年に電車化されその後垂直カルダン装着.1965年8月 宇山車庫
実車テストが行われたのはこの写真の10年も昔1955年頃か?
実車テストが行われたのはこの写真の10年も昔1955年頃か?
DT10に組み込まれた垂直カルダンドライブ
なぜかイコライザー~台車間の動きが殺されている
なぜかイコライザー~台車間の動きが殺されている
淡路の帰りに寄った近鉄北勢線モ200形垂直カルダン車 西桑名 1965.08.05
元三重交通湯の山線4400形
元三重交通湯の山線4400形